慎重派の技術者が、”趣味を分かち合える人”に出会うまで

Uさま(50代・男性・初婚)は、通信分野の技術者として、三十年以上ひとつの道を究めてこられた方です。物事を筋道立てて、慎重に考える――そんな技術者らしい実直さが、面談の端々からも伝わってくる方でした。

長く専門職として第一線を歩んでこられたUさまですが、こと結婚となると、なかなか踏み出せずにいらっしゃいました。「相手にきちんと向き合いたいからこそ、軽々しく動けなかった」。そう語るお姿に、私はこの方の誠実さを感じました。慎重であることは決して欠点ではありません。むしろ、生涯をともにする相手を選ぶうえで、とても大切な資質です。ただ、その慎重さゆえに機会を逃してしまうのは惜しい――だからこそ、私たちが伴走する意味があると考えました。

Uさまがお相手に望まれたのは、お人柄を重視すること。飾らず、穏やかに向き合える女性でした。趣味はゴルフやテニス、そして神社仏閣を巡ること。体を動かすことも、静かに歴史や文化に触れることも好む、バランスのとれた方です。私たちは、そうしたUさまの世界観を一緒に楽しんでくれる、価値観の近い女性との出会いを大切にしました。

国際結婚と聞くと、「言葉が通じるだろうか」「価値観が合うだろうか」と不安が先に立つ方は少なくありません。Uさまも同じでした。けれど、面談を重ねるなかでお伝えしたのは、大切なのは完璧に通じ合うことではなく、「違いを面白がり、歩み寄れるかどうか」だということ。技術者として、未知の課題に粘り強く向き合ってこられたUさまなら、きっと乗り越えられる。私たちはそう確信していました。

出会われた奥さまは、穏やかで、Uさまの話にじっくり耳を傾けてくれる女性でした。慎重なUさまが、初めて会ったときから不思議と落ち着いて話せたといいます。休日に二人でゴルフのコースをまわり、旅先で趣を感じる場所を訪ねる。ひとりで楽しんでいた時間が、隣に人がいるだけで、まるで色が変わったように豊かになる――Uさまは、その喜びをしみじみと語ってくださいました。

慎重な方の婚活では、「決めきれない」という壁にぶつかることがあります。良いご縁が目の前にあっても、あれこれ考えるうちにタイミングを逃してしまう。Uさまにも、そうした場面が何度かありました。そんなとき私がお伝えしたのは、「百点満点の相手を探すのではなく、一緒に百点を目指せる相手を選びましょう」ということです。完璧な条件の一致よりも、違いを認め合い、二人で歩み寄っていける関係のほうが、はるかに幸せに続きます。技術者として、答えのない課題に粘り強く取り組んでこられたUさまは、この考え方を深く納得してくださいました。

もう一つ、慎重な方の強みについてもお話ししておきたいと思います。よく考えて行動する方は、一度心を決めると、その決断を大切に育てていく力を持っています。Uさまも、お相手との交際が始まってからは、一つひとつの約束を誠実に守り、少しずつ信頼を積み重ねていかれました。派手なアプローチはなくとも、その堅実さは、お相手の女性に何より大きな安心感を与えました。「この人は口先だけの人ではない」――そう感じてもらえることは、国際結婚において特に重要な信頼の土台になります。

交際が深まったある日、Uさまが照れながら「休日にゴルフの練習場へ一緒に行ったんです」と報告してくださったことがありました。これまで一人で打ち込んでいた趣味に、隣で笑ってくれる人がいる。ただそれだけのことが、こんなにも心を満たしてくれるのかと、Uさまは驚いておられました。趣味を分かち合えるということは、これから続く長い時間を、一緒に楽しめるということでもあるのです。

ご成婚後のUさまは、以前にも増して穏やかな表情を見せてくださいます。慎重に、けれど確かに選び取った相手だからこそ、そこには揺るぎない安心感がありました。急がず、焦らず、ご自身の納得を大切にしながら歩まれたUさまのご成婚は、同じように慎重な性格でお悩みの方にとって、大きな励みになるはずです。

国際結婚に慎重な方へ、私からもう一つお伝えしたいことがあります。それは、「一人で抱え込まない」ということです。言葉の違い、文化の違い、ご家族への説明――こうした課題を、すべて自分だけで解決しようとすると、慎重な方ほど身動きが取れなくなってしまいます。けれど、私たちのようなアドバイザーが間に入り、通訳や手続きのサポートをしながら伴走すれば、一つひとつの不安は、決して越えられない壁ではなくなります。Uさまも、要所要所で私たちに相談しながら、着実に前へ進んでいかれました。

そしてご成婚後も、Uさまご夫妻の歩みは穏やかに続いています。慎重に選び、じっくり信頼を育てた関係は、時間が経つほどに深まっていくものです。派手な情熱で始まった関係よりも、静かな信頼から始まった関係のほうが、長続きするケースは決して少なくありません。Uさまのお二人は、まさにそうした、末永く寄り添える夫婦の理想形だと感じています。

「考えすぎて動けない」と感じている方こそ、まずは信頼できる誰かに相談することから始めてみてください。慎重さは、正しく生かせば必ず幸せへの力になります。趣味を分かち合える伴侶を得たUさまの、これからの穏やかな日々に幸多からんことを願っています。